性病(性感染症)についてのQ&A
Q1.性病について知りたいのですが・・・。
A1.性病としては、「梅毒(ばいどく)」、「軟性下疳(なんせいげかん)」、「鼡径リンパ肉芽腫(そけいりんぱにくげしゅ)」、「淋病・淋疾(りんびょう・りんしつ)」、「毛ジラミ」などが代表的な疾患ですが、広い意味ではHIV感染症などのウイルス感染症も含まれます。いずれにしても性病予防のためには不特定多数の異性との性行為を持たないことが大切です。
Q2.「梅毒」について
A2.感染約3週間後に陰部や口唇に小さな硬結が見られます。痛みを伴わないで自潰し、周囲のリンパ節が腫れたりします。感染後4~6週後には梅毒血清反応が陽性になり、感染後3ヶ月以降には痒みを伴わない紅斑が全身に生じたあと、数日~数週で消退します。その後、丘疹が様々な部位に生じ、しばらく持続します。手のひらや足の裏に生じるのが特徴的です。さらに感染後3年を経て顔や胸などに結節を生じ変形を来します。醜形を来すほど進行する梅毒はまれですが、全身に皮膚症状を来すものは時々見うけられます。投薬で完全に治療できますので心配な方は是非受診して下さい。
Q3.「軟性下疳(なんせいげかん)」について
A3.男女ともに、性器に豆粒くらいのコブができ、すぐにつぶれて痛みの強い潰瘍になります。 現在の患者の数はとても少なく、日本国内での感染はほとんど無いと考えられています。元々、東南アジア、アフリカ、南米地域に多く発生している病気で、海外で感染する場合がほとんどです。日本とは逆にアメリカでは感染者が増加しています。
Q4.「性器クラミジア感染症」について
A4.性器クラミジア感染症はクラミジアトラコマティスという病原体により感染する性病で、感染者との粘膜同士の接触や、精液、膣分泌液を介して感染します。オーラルセックスでは、咽頭(のど)へも感染します。クラミジアに感染していると、HIV(エイズウイルス)への感染が3~5倍にもなる性病です。妊婦の方は、妊婦検診を受けることにより、出産時の母子感染を防ぐことができます。日本におけるクラミジア感染者数は100万人以上といわれており、一般の高校生を対象とした検査では、性経験者のうち男女ともに1割近い感染が見られたとの報告もあります。男性・女性ともに、感染しても症状を感じにくく、気づかないままパートナーへうつしてしまうことがありますので注意が必要です。女性の場合は不妊症や子宮外妊娠の原因となります。
Q5.「性器カンジダ症」について
A5.特に女性に多い性病で、カンジダ属の真菌(カビの一種)が原因となって起こる病気です。 パートナーから感染することもありますが、もともと人の体内にある菌とも言われ、他のSTD(性病)とは少し性質の違うものとなります。典型的な症状として、外陰部のかゆみがあり、ヨーグルト状のおりものが増えたりします。男性に症状が出ることは少ないですが、包茎の人には女性と同じようにかゆみなどの症状が出やすくなります。
Q6.最近よく聞く「STD」と「性病」はどう違うのですか?
A6.STDは「Sexually Transmitted Diseases」の英略で、日本語では性感染症と言います。昔は日本では「性病」と言っていましたが、最近では性行為で感染することが多い病気を含めて総称的にSTDと呼びます。また、日本では1999年に「感染症法」が制定され、正式には「性病」と呼ばれていた総称は、今までに含まれていなかったクラミジアやエイズなどの病気を加えて「性感染症」と呼ばれるようになりました。
Q7.STD(性感染症)はどうやってうつるのですか?
A7.STDは自然発生することはありません。全て性行為により感染するものです。STDに感染している人の精液、膣分泌液、血液、患部(ブツブツ、イボ、ただれなどの症状)組織などに、STDの原因となる細菌やウイルスなどが含まれていて、その細菌やウイルスなどが性行為により相手の性器、肛門、口などの粘膜や皮膚と接触することにより感染します。
Q8.性病について教えてください。
A8.性病とは性行為によって移る病気です。男性尿道から膿が出る尿道炎(クラミジア、淋病)や、亀頭にブツブツができるコンジローマなどがあります。症状により治療法はそれぞれ異なります。特に当院では長きに渡って性病(性感染症)の治療を行ってきましたので、様々なケース(ヘルペス・梅毒・HIV・肝炎など)から見られるご相談にもスムーズにご説明できると思います。まずはおひとりで悩まれるより、専門医にご相談ください。けして恥ずかしい事ではありませんし、早期の治療が何よりも大切です。